心と向き合う作業

新聞に、中学校の先生が教育現場での一コマを紹介した、興味深い記事がありましたので、ご紹介したいと思います。

 ある日、生徒が物言いたげな表情をしてうろうろしていた。「この頃少し浮かない顔をしているけど、何かあったか?」。いつも一緒にいる子と急に距離を置き始めたので、そう問いかけた。彼女は「距離ができた理由は分からない」と言う。
 その様子を見ていたのか、次の休み時間に相手の子が来て「何を話したのですか」「あの子分かっていない」などとつぶやきつつ、肝心の事は言わずに立ち去った。
 このような友人関係のもつれを彼女ら自身で整理する力をつけさせるべく、ホームルーム活動で取り組んだことがある。「自分にとって一番苦手な人を思い浮かべ、その人に自分を知ってもらい、友達になれるような内容の手紙を書いてみよう」と提案した。
 生徒は悩む。誰を想定し、どんな内容にするか。悩んだ末書き始める。ペンの進みの差は大きい。遅い子ほど問題を抱えていることが多い。それを封書にし、中身は読まないという約束のもとで集める。
 一週間後それを返却してもう一度読み返させる。続いて、「相手の立場になって返事を書いてみよう」。自分は相手をどう見ているか、受容するにはどうすればよいか。生徒に聞いてみると最初に誰を想定するかで、まず苦労するようだ。そして何を書くか。自分の気持ちを率直に伝えることの難しさを感じたようだ。しかし、自分の書いた手紙を読み返し、心の中と向き合うことで、相手の立場を理解したという。この一週間で悩み、もやもやしていた気持ちが少し晴れた子もいたようだ。だからといって、彼女らの行動がすぐに大きく変化するわけではない。でも、心には友達への思いの変化が残る。こんな経験を積み重ねることで、心の内側からの変化を期待しているのだ。

森 茂、中学校教諭

平成12年6月10日付山陰中央新報より

いかがですか? なかなか深い、地道な作業です。

こんな授業をしてくださる先生がいるなんて、嬉しいですね!

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