「恋人に何もしてあげられない生活能力のない男という者は、淋しいものです」

タイトルのセリフは、三浦綾子さんの『道ありき-青春編』にありました。
三浦さんが結核を患っていた時の療友、やがて恋人となった男性の言葉です。講座で紹介してきた男性心理をよく表す言葉だと思い、引用しました。

学生時代以来でしょうか、本当に久しぶりに三浦綾子さんの本を読みました。特に関心があったからではなく、遠出する際の移動の伴にと、軽い文庫本の中からチョイスしただけでした。

その前に読んだ本は、北欧の推理小説で世界的ベストセラーになったもの。これも図書館で見つけて趣味と実益を兼ねて読んだもの。確かに、なかなかやめられない面白い読み物ではあったけれど…

その2冊に描かれた男女関係のなんと極なること・・・!

北欧に対するイメージにそのまま応えるかのように、男性主人公はいとも簡単に出会う女性たちと関係を持ちます。仕事では信念を貫き、他者の個性や違い・思いを尊重する理想的なヒューマニストのように描かれていますが、本当にこんな関係の中にあって、生身の人間が現実に心穏やかで生きていけるだろうか・・・と、疑問に思わざるを得ません。

一方、『道ありき』に描かれた3人の男性は、著者に無私の愛を注ぎきります。3人のうち2人はクリスチャンなので、信仰に根ざした本当に崇高な愛です。もう一人は、誠実の塊のような人。3者とも、実在の人物です。

凡人の私は、より良く生きたいと思いつつも、人生一周りした今もなお相変わらず自分の中にある負の感情と格闘しています。だからこそなのか、異次元の愛に触れるととてつもなく感動するのです。学生時代、『塩狩峠』の映画を見て衝撃を受けました。『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンのコゼットへの愛にも。

三浦さんが若くして病床にある中、生きる意味、生き方、人間なるもの等について問い続ける過程、様々な人との出会い、異次元の愛、・・・それらを辿りながら、今の自分を見つめ、これからの自分の生き方を考える、・・・そんな機会をくれた本でした。

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『ハーバードの人生を変える授業』

幸せに精神的に豊かに生きるための糧を、本に求める人は多いでしょう。

私もその一人ですが、自己啓発書や心理学書よりも、物語から学びや感動を得るほうが好きです。フィクション・ノンフィクションを問わず、人の生きざまを追体験する中で教えられることが少なくありません。
それでも、図書館に行けば、心理学・自己啓発コーナーに足を運びます。自分の心の(枯渇?)状況によって、手が伸びる時と、全く気が向かない時があります。

先日は、飢えていたわけではないけれど、タン・ベル・シャハー著『ハーバードの人生を変える授業』という本が目に止まり、借りてきました。
恵まれた家庭環境に生まれた私でしたが、小学校高学年から色々な事がありました。比較的幸せな結婚生活を送りながらも、人生は予期せぬ展開を見せました。そんな中ここ10年位で私が学び実感してきた幸せな生き方のポイントが、この本に網羅されていました。

あらら~! っていう感じです。

やっぱりね。と確認したり励まされたり。

でも、もっと早く知っていたら、とは思いません。
しんどい思いをしたからこそ、シンプルな原則の価値を実感できるのだと思うからです。

“The Lost Boy” (『It(それ)と呼ばれた子‐少年期』)

図書館で見つけた”The Lost Boy”という本。母親に虐待された子の自伝で、”The Child Called ‘It'”(『それと呼ばれた子』)の続編です。幼少期を描いた最初の本は残念ながらありませんでしたが、自伝ながら推理小説以上の引き込む力があり、一気に読んでしまいました。

子供への虐待については痛ましいニュースで知るくらいの私には、衝撃の内容でした。

人間の本性は善だと信じ、そこに根差した原則を実践することで幸せをつかんだ、多くの実例を見てきました。

が、そこに描かれた著者の実母は、自分の子供にどうしてここまで“邪悪”であり得るのか? と思わざるを得ない人物でした。彼女だけを見ると、平和や人類愛を語ることに絶望的な気持ちになります。

一方で、様々な事情で親と暮らせない子供たちを引き取って育てている、里親たちがいます。里親といったら、一人の子供を引き取るのかと思っていましたが、そこに描かれた里親たちは、自分の家に何人もの子供(収容人数の限り)を引き取っているのです! 中には、政府から支給される養育費を目当てに里親になる人もいるかもしれません。けれど、ある夫婦は、30年以上にわたって、何十人もの子供たちを面倒み、世に送り出してきました。里子が道を踏み外しそうになれば、必死に諭し、労力を惜しまず、守ろうとします。

その純粋で、大きな愛に、私は衝撃を受けました。

人間て、凄いなと、思いました。

 

社会制度と様々な里親たちの中で、愛に飢え、認められることを求める主人公は、もがきながら時に過ちを犯しながら、必死に生きるすべを模索していきます。彼の心の内も赤裸々に描かれていて、関心のある人にはお勧めです。

 

“The Shack” (『神の小屋』)

我が市の図書館には、アメリカの姉妹都市から贈られてきた書籍コーナーがあります。その恩恵をしっかり受けている私。2・3年前事故後に安静にしていた時期にも感動的な本との出合いがありましたが、昨年秋にはそれ以上の感動モノが…!

それが、”The Shack” (邦題『神の小屋』)という小説でした。

深い!…とにかく深いです!

キリスト教が背景にありますが、誰もが一度は疑問に思ったことのあるテーマが扱われているので、信仰の如何に関わらず読めると思います(一部のキリスト教会からは異端視され読まないよう言われているそうです)。人生における様々な不条理をどう受け止めて生きていくのか、主人公の人生を軸に、特別な存在との対話を通して、掘り下げられていきます。

読後、ネットで調べたら、自費出版からベストセラーになったとのこと。今月映画も公開されました。(すみれさんが主要キャストでハリウッドデビューした作品でした!)映画『アバター』の主演男優が主役を務めていることからも力の入れようが分かります。

日本で公開されたら話題になるだろうと思っていたのですが、日本での公開は未定と知り(残念!)、ブログで紹介しておこうと思った次第です。

日本語版が出ているようですので、関心ある方は是非本を読んでみてください。^^

私は沢山涙を流し、心が洗われました。

「心配の本質は、呪いである」

先日かかりつけ医の待合室本棚に本田健さんの『50代にしておきたい17のこと』(大和書房)という本があったので、待っている間、手に取ってみました。読みやすく、パラパラっと関心のあるテーマだけ拾い読みすることもできます。そこに興味深い書名が一つ。

その後図書館に行って、本田さんの著作を探しましたが、残念ながら『20代~』と『60代~』しか置いてありません。^ ^;)
多少の抵抗を感じつつ、『60代~』の方を借りてきました。

14章「子供の人生に干渉しない」の中に書かれていたのが、上記の言葉。
「心配の本質は、呪いである」ことを肝に銘じておきましょう、といった内容です。

私自身、セミナーで「心配されると信頼されていないって受け止めるのです」とお話しています。
そうは言っても、心配は母親の専売特許(?)。都会で社会人として頑張っている子供たちが、家族のラインに何日も書き込みがないと、あれこれつい思い巡らしてしまいます。
心配メールを送れば、当然鬱陶しがられます。(本田さんも書いていました^ ^;)
忙しいだけだ、と信じてみても、勝手にやって来る雑念。

そんな時読んだのがこの言葉。抜粋してご紹介しますね。
心配の本質は、ネガティヴな未来をイメージして、それが必ず起きると確信することです。一種の「呪い」だといってもいいでしょう。
…現実にあなたの心配したとおりになります。
心配は、愛の仮面をかぶった呪いです。
「心配は、ダメな未来を相手に押しつける行為だ」ということを忘れないでください。

ここまで言われると、心配するわけにいかなくなりますね。^o ^ ;

そうして気持ちを切り替えると、相手からメールが来るから面白いものです。

ミッチ・アルボムの本

最近、ミッチ・アルボムを堪能しています。
セミナー等で都会に出るたびに、田舎では買えない本を求めて大きな本屋さんに寄る私。(アナログ人間でしょ?^^;)
昨年彼の事を全く知らずに、タイトルに興味を持って買ってみたのが彼の最新作(多分)でした。読んでみて、とっても感動~!!
彼の他の著作を見ると、『天国で出会う5人』とあるではないですか…! 読んだことないけど、一時話題になった本だと気づき、次の機会に買い求めました。

少し読み進めると、…?  あれ? これ以前読んだことある!
でも、最後まで読んだ記憶はなくて、当時の私にはきっとあまり面白くなくて途中でやめちゃったのかな…と思います。(いつどこで読んだかは全く覚えていません)
今読むと心にジーンと来て、話題になったのも納得です。
やはり、色々な経験を経た今だから読めるのでしょう。

今4冊目。読み終わりたくない気持ちを抱えながら読んでいます。

彼の本は、人に優しい本です。
人生思い通りに行かなくて、悔いがあったり、伝えられなかった思いや満たされない思いがあったりして、傷ついて挫折した人の心を、全部わかって愛で包むような感じが、私はします。

また借りてきちゃった

かかりつけ医の待合室。そこにある書籍の中から一冊を手に取って読んでみると…、
う、面白い!

診察が終わり会計を済ませると、先回味を占めた私は、「あのぉ、この本お借りしてもいいですか?」
受付のお姉さん、笑顔で「どうぞ、どうぞ」

なんと、滅多に読むことのない現代日本作家の小説です! しかも全く聞いたことのない名前。
中学時代から、欧米の作家にばかり手が伸びていた私。日本人作家で進んで読んだのは、司馬遼太郎、山本周五郎、松本清張(渋いですね^^;)、三浦綾子くらいでしょうか? ノーベル賞候補と言われて久しい某ベストセラー作家の本は、一度トライして途中でやめました。(ファンの方ゴメンナサイ。)

借りてきたその日に読み終わって、後ろのプロフィールを見たら、なんと、水嶋ヒロの本でした! あ~、そう言えば以前賞を取った時、審査員が絶賛していたなぁ、と思い出し、その時の審査員のコメントにも納得。
想像だにしなかった発想、展開、先へ先へと読ませる力。
20代でこれほどのものを書いちゃう! 凄いとしか言いようがありません。

でも、

面白くてインパクトはあるけれど、

生と死について掘り下げているようにも見えるけど、

私には(私の心には)、特に何も残らないかなぁ…と思います。(あくまで私個人の感想でう。当然、これをきっかけに生きる意味について考えられた方もおられるでしょう。)

私が好きな欧米の小説って、感動して涙が出て、時に心が浄化されるんです。(勿論、当たりはずれはあります。)

それは推理小説でも!

私が最初にはまったジョン・グリシャムの処女作 “A Time to Kill”(邦題『評決の時』)は、学校の教科書にも載っているらしいです。その続編が20年以上経って一昨年出版されましたが、それも感動! それ以外でも彼の小説は、ほぼ全編ハラハラしつつ、泣かされるシーンが1つ入っていることがよくあります。

やはり、土台にあるのはキリスト教によって育まれてきた精神でしょうか?

あ、書きながら、映画 “Pay It Forward” (邦題『ペイ・フォワード』)を思い出しました。